フューネラルビジネスフェア2017

フューネラル2017

 

パシフィコ横浜で毎年行われているフューネラルビジネスフェアに行ってきました。

テーマは「葬送儀礼文化の継承と再構築」

葬儀が簡略化され、あるいは葬儀を行わない人も増える中で、その<継承と再構築>は重要なテーマであると思われますが、この展示会で見る限り、業界の足並みが揃っているようには思えませんでした。

 

例えば骨壺や棺をきらびやかに飾り立てて高額で販売しようとすることは、文化の再構築とは言えないでしょう。

また、葬儀にネットやデジタルサイネージを活用することも、お坊さん便も今風ではあっても表面的なことのように感じられます。

 

そもそも「文化」は業界が再構築できるものではないのでしょう。

業界にできるのは業界自体の再編とか、市場への提案ということまでのように思います。

 

 

『民族とナショナリズム』 アーネスト・ゲルナー 著 加藤節 監訳 2000年刊 岩波書店 

プリント
 
a1180_008904_m

民族とナショナリズム
アーネスト・ゲルナー 著 加藤節 監訳
2000年刊 岩波書店

 

ナショナリズムに関する極めて強力な分析であり、重要な古典である。
シンプルでしっかりした装丁もこの名著に相応しい。

 

民族とナショナリズム2

 

近代以降の合理的な産業を基盤とする社会を支えるのは、
身分に縛られず変化する産業に柔軟に対応できる流動的な無数の個人である。
地域からも一族からも宗教からも引き離されたバラバラの個人を、
<国家>の下に一元的にまとめるのがナショナリズムである。
ナショナリズムは拠り所を失った個人にとっての
故郷であり家族であり魂である。
だからナショナリズムは何ものにも代え難く人々の心を揺さぶり熱狂させる。
そしてその基礎は国語を中心とした教育によって作られる。
日本の場合には、それに加えて、
<天皇を始祖とする民族としての日本人>という観念や、
それを具体化した国家神道という装置が人々に強く作用した。
ナショナリズムは民族の皮を被った産業主義であると言えるのかもしれない。

 

続きを読む “『民族とナショナリズム』 アーネスト・ゲルナー 著 加藤節 監訳 2000年刊 岩波書店 ”

遺跡になる村 ~明日香村 石舞台古墳~

kanokobana1

 

石舞台古墳27

 

奈良県明日香村の石舞台古墳。

遺跡と森に埋め尽くされている奈良の中でも、明日香村は特別な場所です。

 

石舞台古墳11

 

ここは日本で唯一自治体全域が国の法律(明日香村特別措置法)によって厳しく開発規制されているところだからです。

 

石舞台古墳14

 

確かに多くの史跡が集中している場所ではありますが、生態系の保全というわけでもありませんから、地域開発のすべてを規制する必要があるのかどうかにはやや疑問もあります。

しかし、一度決まった国の法律を人口6000人程度の自治体が変えるのも、また難しいのかもしれません。

 

石舞台古墳23

 

逆に地域全体が保護されることで、明日香村には意図せざる社会と自然の生態系ができているようにも見えます。

 

石舞台古墳25

 

ほとんど新しいことが起きないまま、錆びた信号機のように季節が循環していく、のんびりしたスモールワールド、明日香村。

 

石舞台古墳26

 

石舞台ができた頃には、2300トンもの石を運んで、巨石を加工して積み上げ、古墳にするという最先端の土木技術を誇った地域が、今では、日本の文化財保護の在り方とともに、村全体がゆっくりと遺跡化していっているようにも思えます。

 

 

八咫烏の導き ~橿原神宮~

kanokobana1

 

橿原神宮43

橿原神宮7 橿原神宮11 橿原神宮16

 

橿原神宮は、初代の天皇である神武天皇を祀るために、明治23年(1890年)に創建された神社です。

 

橿原神宮17

 

京都御所の一部を移築して社殿としていることからもわかるように、ここはは近代の天皇制と深い関りをもつ存在だと考えられます。

 

橿原神宮1

参道から拝殿までの整然とした造りは、膨大な数の参拝者を捌くことを想定して設計されているいるように思われます。

ですから木と石という伝統的な素材で作られているにもかかわらず、すっきりとしたモダンな印象があります。

 

 

橿原神宮37

 

二つの大きな鳥居の先に現れるのは拝殿ではなく、<日の丸>です。

まるで国旗もしくは国家そのものが、ご神体であるかのようにも見えます。

少なくとも、まず国旗・国家に一礼してから拝殿に向かうような形式になっています。

 

橿原神宮14

 

橿原神宮は、天皇制と国家と神道をひとつに結びつけ、近代ナショナリズムを促すために設計された装置であったのでしょう。

 

橿原神宮24

 

その装置は見事に作動して、橿原神宮の宮域は、近代日本の発展と歩調を合わせるかように拡張されていきました。

 

橿原神宮40

橿原神宮41

 

創建当初2万6000坪だった宮域は、昭和15年(紀元2600年)には、16万坪に広がっています。

紀元2600年の奉祝記念の境域整備のためには、延べ120万人以上の建国奉仕隊が組織されています。

昭和のはじめには、国民の組織化が加速度的に進んでいたのでしょう。

そしてその加速は国民自身の自律的な熱狂となり、ブレーキシステムを持たないまま大陸へ海洋へと膨張していきました。

激しい感情は未来のことなど精査したりはしません。

そして戦争とその自壊へと至ります。

感情のメルトダウンです。

戦争もまた盲目的な人間集団の熱狂が生み出すバブルのひとつでしょう。

社会は、それを構成する人間自身を制御することが難しい。

 

橿原神宮28

橿原神宮33

橿原神宮34

橿原神宮27

 

それから80年近くを経た広大な橿原神宮では、多くの野鳥が勝手気ままに飛び交っています。

 

橿原神宮30

 

自分たち自身を制御できない人間集団は、古代の天皇のように、その将来を頭のいい烏に導いてもらう方がいいのかもしれません。

 

グッドジョブセンター香芝(社会福祉法人わたぼうし会)さん

プリント

 

障がいのある人たちのアート作品の制作や流通で実績のあるわたぼうし会さんによる雑貨の製作と流通の拠点がグッドジョブセンター香芝です。

 

グッドジョブセンター1

グッドジョブセンター3 グッドジョブセンター7 グッドジョブセンター55

 

センターは南館と北館に分かれています。

大きく分けると南館が雑貨、北館がアートです。

南館は、雑貨の製作、展示、販売、仕入、流通の管理、事務処理、カフェといういくつもの機能を集約した建物です。

 

グッドジョブセンター35

グッドジョブセンター56  グッドジョブセンター58 グッドジョブセンター57

 

採光のいい明るく開放的な空間で、多くの機能が分断されることなく流れるように設計されています。

この素敵な設計はo+h(大西麻貴・百田有希)さんによるものです

 

グッドジョブセンター5

グッドジョブセンター4 グッドジョブセンター6 グッドジョブセンター54

グッドジョブセンター51 グッドジョブセンター28 グッドジョブセンター52

 

通りに面したカフェも吹き抜けで気持ちのいい空間です。

デザインがちょっと斬新すぎて、最初はなかなか地域のみなさんに認知してもらえなかったということです。

 

グッドジョブセンター15

グッドジョブセンター9 グッドジョブセンター8 グッドジョブセンター59

 

3Dプリンタやレーザーカッターと手作業のミックスによる雑貨づくり。

人気の「グッドドッグ」は現在2000個制作中。。。

 

グッドジョブセンター11

グッドジョブセンター13

 

シカコロコロにもファミリーができました。

 

グッドジョブセンター21

グッドジョブセンター33 グッドジョブセンター16 グッドジョブセンター20

グッドジョブセンター24 グッドジョブセンター25 グッドジョブセンター22

 

2階の展示販売スペース。

 

グッドジョブセンター63

 

50事業所1000種類の取り扱い製品の管理はオリジナルの棚で行っておられます。

一見地味ですが、この製品の集約機能こそ、これまで製造と販売の間で欠けていた製品流通のための必須のピースです。

これで製品の流通が格段にスムーズになります。

 

グッドジョブセンター47

 

こちらは北館のアートのためのスペースです。

 

グッドジョブセンター37 グッドジョブセンター38 グッドジョブセンター41

 

こちらでアート作品の制作やワークショップなどをおこなっておられます。

 

グッドジョブセンター39

 

自由な表現は人の気持ちを明るくします。

 

グッドジョブセンター43

グッドジョブセンター44

 

北館の照明使われている金属のリングにくり抜かれている形も、この施設を利用しているメンバーによるものです。

 

グッドジョブセンター31

 


 

・関連する記事

 

たんぽぽ74

たんぽぽの家さん 1

 

たんぽぽ28

たんぽぽの家さん 2

 

たんぽぽ82

たんぽぽの家さん 3

 

 

風車の運命 ~水生植物公園 みずの森 夏至~

tayoribana1

 

みずの森2017062004

みずの森2017062003 みずの森2017062010 みずの森2017062005

 

夏至の頃のみずの森では屋外でも睡蓮や蓮が多く見られるようになります。

 

みずの森2017062013

みずの森2017062014 みずの森2017062007 みずの森2017062021

みずの森2017062043 みずの森2017062032 みずの森2017062016

 

種類も多く、個性的な花に見入ってしまいます。

 

みずの森2017062039

 

多くの人で賑わう睡蓮三昧郷なのですが、おばあちゃん比率が50%くらいで、実は写真で見るよりかなり騒々しいです。

 

みずの森2017062009

 

カエルやメダカやトンボやチョウ。それらの生き物も夏にはたくさん見かけます。

みずの森は、蓮とカエルとおばあちゃんが主役です。

 

みずの森2017062023

みずの森2017062040 みずの森2017062029 みずの森2017062027

 

蓮も睡蓮も花の寿命は3日くらいで、それも咲いているのは主に午前中。

はかなさで言えば桜以上かもしれません。

 

みずの森2017062034

みずの森2017062006

みずの森2017062015

 

そんな花なので、スタッフの人たちは水中の鉢の入れ替えに常に気を配っておられるそうです。

 

みずの森2017062020

みずの森2017062019

 

みずの森の隣に立つ風力発電施設「くさつ夢風車」。

湖岸草津のランドマークで、エコ行政のシンボルですが、現在は発電停止中です。

今後、高額の維持費を払い続けるか、一気に巨額の解体費用を計上するか、それとも赤字を上塗りして別の赤字に作り変えるか、議会で審議されているようです。

 

意味を失っている施設なので、普通に考えれば解体なのですが、現状維持を指向する行政に、議会が方向転換の意志をちゃんと示せるかどうか。。。

 

といった状況なので、次の夏かその次の夏には、この風景は見られなくなっているかもしれません。

 

みずの森2017062042

 

 

鋼の対立 ~靖国神社~

edokko9

 

靖国神社33

 

錆びた鋼の巨大な鳥居の向こうに、さらに巨大な現代の高層ビルを眺める近代日本陸軍の創始者、大村益次郎。

この姿には日本の近現代史が象徴的に示されているように思えます。

 

靖国神社35

 

西洋の近代国家群に抗うべく中央集権によって鍛え直され、巨大化した鋼の国家。

壊滅的な敗戦によってその鋼は錆びつきましたが、今度はその錆を保護膜とし、産業国家としてさらなる高みに昇った日本。

 

靖国神社31

 

鋼の鳥居の内側には銅の鳥居があり、さらに内側には木製の門と鳥居があります。

 

靖国神社30

 

そして拝殿と本殿、さらに合祀された神霊の<名簿>があります。

その数、246万6千余柱。

近代日本もまた、正にヤオヨロズの神の国です。

 

靖国神社3

 

英霊の魂が神となり、巨大な近代国家を作り上げていくという一途なストーリー。

靖国の参道のど真ん中を貫ているのは純粋なナショナリズムそのものであり、それは日本という近代国家の中心にある原理です。

 

靖国神社10

靖国神社18 靖国神社19 靖国神社20

 

だからこそそこは理屈抜きの愛着と、それに対する反発が起きるのでしょう。

 

靖国神社24

 

そして近代的なナショナリズムのナイーヴな魂が、近代兵器という殻に不可避的に覆われるという事実は、靖国に起きる問題をさらに難しくします。

 

靖国神社25

 

靖国神社26

 

大村益次郎が錆びついた鋼の鳥居の、さらに向こうを見ているように、靖国に関して起こる対立が乗り越えられ、さらなる高みへと解消されることを願いたいです。

 

 

正しいBBQ ~湖岸緑地 南三ツ谷公園~

tayoribana1

 

南三ツ谷公園1

 

彦根市新海の南三ツ谷公園。

遠く対岸になだらかな山並みを眺めることのできるこの公園は、湖岸でバーベキューができる場所として人気が高く、休日にはたくさんのグループで賑わいます。

 

南三ツ谷公園2

 

しかしゴミの問題などもあり、BBQのマナーが心配されています。

 

南三ツ谷公園3

 

そのうち「共有地の悲劇」が起きないとも限りません。

 

南三ツ谷公園7

 

そうなったら「びわ湖のBBQ全面禁止。環境保全のために県が条例。今後は認可制に」というようニュースが流れることになりますが、実は資本主義の世界ではそれが一番正しいのかもしれません。

 

南三ツ谷公園5

 

もし認可制になって、認可団体がBBQ場を管理するようになったら、そこには新たな雇用やサービスが生まれることになります。

BBQセットの貸し出しや、冷蔵設備を完備した食材販売も行われるでしょうし、宣伝も活発になり、びわ湖のBBQは規制以前より広まることも考えられます。

 

興味深い社会実験になるかもしれません。

 

南三ツ谷公園8