日野町にある八千鉾神社は増田村の鎮守。
田舎の小さな社です。
通りがかりに見かけたこの場所の桜が、春の淡い青空と相まってとてもチャーミングでした。
細い道路を挟んで原爆ドームと隣接するおりづるタワー。
「タワー」といっても最上階の展望台まで含めてもたった14階の、タワーと呼ぶには低すぎるくらいのビルですが、設計アイデアの極めて優れた現代を代表する建築です。
(設計は三分一博志氏)
まず屋上階の展望台「ひろしまの丘」。
階段状になっていて壁の無い、素晴らしく見晴らしの場所です。
季節によって装飾が変わります。
今の時期は春のピクニックバージョンです。
隣接するドームを斜め上から見ることができるのも特徴です。
12階のおりづる広場にもいくつものアイデアが詰め込まれていて、その中心がおりづるの壁。
ここで折った鶴をガラスの壁の間に投げ入れて積み重ねるというものです。
訪れた人たちが折った膨大な数の鶴!
そしてすべり台のついた螺旋状の木の階段があり、壁面は展示スペースとして使われています。
さらにこの斬新な建物が新築ではなく40年も前に建てられたビルの改修によるものだということは驚きです。
一階のカフェでは、お好み焼き風どんぶりが食べられます。
味は・・・悪くはないけれど・・・お好み焼きの生?
旧JGCグループの集まりで広島を訪れました。
ホテル近くの平和記念公園は、桜が満開で観光とお花見でとても賑わっていました。
ドームの周辺は歩いている人の7割くらいが外国人ではないかと思われるくらいインバウンドでも人気の場所です。
おそらく今は雷門や心斎橋よりこちらの方が人気があるのではないでしょうか。
何も知らなければ、周囲の景観と相容れないただの大きな廃墟でしかないこの場所が人気を集めているのには、いくつかのポイントがあるでしょう。
1.世界遺産であり戦争と原爆の記憶をはっきりと残す場所であること。
2.博多と大阪の中間にあり観光ルートとして手頃であること。
3.記念公園の施設が広く時間をかけてゆったり回れること。
この3つ目のポイントはインバウンドでは意外と重要な点だろうと思われます。
せっかく来たのに何枚か記念写真を終わりではもったいない。
ここは、もっと見たい知りたい体験したい、という欲求にこたえられる場所でしょう。
インバウンドは日本人の観光ほどあっさりしていないのでしょう。
日本人はせせこましいことに慣れているけれど、インバウンド観光ではそれなりの余裕が必要ということでしょう。生活のサイズ感が少し違うということかもしれません。
広島の街は、絶対不変のこの廃墟を中心に据えることで安定的に活性化しているように思えます。
街が新しくなれば、変わらないドームの存在感が相対的に際立っていきます。新しく変わっていけばいくほど、その落差は大きくなりドームの姿は人々の記憶に深く刻まれることになります。それは広島を世界中のどこにでもある都市とは違う強い個性のあるものにしています。