滋賀県庁の近くにある大津びわ湖合同庁舎は
2011年に竣工した県の新しい施設ですが、
この建物にはお役所らしからぬ開けた雰囲気があります。
それを特に感じさせるのが
2階の法務局のフロアにあるアートラウンジです。
ここにはびわ湖の象徴である鯰の
ユーモラスな陶芸作品が飾られています。
作者は山野千里さん。
法務局や税務署、検察庁など
お堅い官署が集められている場所なのですが
その堅苦しさや厳めしさをまるごとひっくり返すような
豊かな想像力と仕掛に満ちた素晴らしい作品です。
滋賀県庁の本館は昭和14年竣工の登録有形文化財。
建物には昭和初期の文化財らしいディテールが施されています。
天気の良い日には前庭の噴水が涼しげです。
この噴水を支える3人の裸婦像は
昭和40年につくられたもので、
作者は当時滋賀県立大学の助教授だった伊室重孝氏。
タイトルは「母なる湖」です。
ルネサンスの女神像の末裔という感じです。
県庁の前庭にはもう一体、裸婦像があります。
こちらは日展理事も務められた中川清氏のご遺族の方から
昭和50年代に寄贈されたものです。
タイトルは「海」
空を見上げる姿が特徴的で
噴水の裸婦と比べると
よりモダンで重量感があり
肉感的なリアリティがあります。
なので
この4人目の裸婦には
<あ、こんなところで裸で立ってちゃいけないですよ!>
と声をかけそうになります。
びわこ文化公園のキショウブ。
若い緑の中によく馴染む黄色です。
風が吹くとひらひらと花びらがなびいて、
シルクのスカーフのようです。
でもこの花は派手な色が好まれて
明治時代に輸入・栽培されたもの。
今は野生化もあり「要注意外来生物」であるとされています。
確かに園芸植物として徹底的に作り込まれた
日本のハナショウブの爛熟美とは
一線を画したフレッシュな印象です。
虫の好む色や形になったり、香りを発したりすることと、
人の気をひく色や形になったり、香りを発したりすることは、
植物の側から考えれば同じ繁殖のための戦略。
一方で人に鑑賞されて大事にされながら、
他方で野生環境にも適応して繁殖域を広げている。
巧みな繁殖戦略。
テレビやネットでアイドルとしての高い人気を保ちながら、
それだけでは飽き足らず
自らのファッションブランドを立ち上げて
辣腕経営者としても成功している、
という感じです。
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