春の終わりにあでやかに咲き誇る花の王牡丹。
二十四節気・七十二候で「牡丹華(ぼたんはなさく)」の時期、石山寺の牡丹園でも今が満開で、春の驟雨に洗われた後は一際鮮やかです。
「唐獅子牡丹」や「緋牡丹博徒」など任侠映画のイメージも強く、着物の柄の代表でもありますが、そういう紋切り型の和風イメージを超えて、全力で咲くこの花は美しいです。
花の魅力が全開になると、そこには多くの虫たちも集まってきます。
虫たちに圧倒的一番人気のこちらは、見た目はややおとなしいけれど、甘い香りがしていました。
果たして虫たちを惹き付ける魅力は何なのでしょう。
豪華に飾った牡丹をめぐって勢いよくブンブン羽音をたてて集まるハナムグリたち。
花と虫が求婚の儀式をおこなっているようにも見えました。
参道ではキリシマツツジも鮮やかに咲き揃っています。
どっしりと構えた牡丹と違い、こちらからは軽やかで甲高いおしゃべりが聴こえてきそうです。
こちらの求婚者はハナアブのようです。
次は藤棚も色付いてきて順番にバトンが渡されてゆく花のリレーが続きます。
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