『「日本人論」再考』
船曳建夫 著
2003年刊 NHK出版
明治以降、数々書かれてきた
「日本人論」というものを振り返り
これから現実として形作られていくであろう
<日本人>について語られた本である。
とても有意義な内容であると思う。
明治から戦後までの「日本人論」に関する考察はなるほどと感じさせられるし、
現在の日本人的感性に関する考察には身に染みるものがある。
しかし、それだけの分析を重ねながらも、
これからの「日本人」像についてはとても曖昧な印象が残る。
まあ、それは現在を生きている「日本人」自身が
試行錯誤しながら形作っていくものではあるのだろうけれど…