クラーナハはエロでありグロである。
今ならサイコパスと言われそうな女性像や
少女のような裸体、エロじじいと金目当ての情婦など
スキャンダラスなテーマで絵画を量産した
俗っぽいメディア企業のトップ
のようにも思えるが
はるか後世まで参照され続ける改革者の肖像や
祭壇画も同時に描いている。
顧客の様々な要望に応え
硬軟取り混ぜて
ハイカルチャーでもサブカルチャーでも何でもありで
どこよりも素早く完成度の高い仕事を仕上げる
16世紀版「プロフェッショナル 仕事の流儀」で
時代を駆け抜けた。
現代まで参照され続けているのは
ルターの肖像だけではなく
メディア企業としてのクラーナハ工房の肖像。
宗教改革だけではなく、
職業改革でもあったといえるのかもしれない。
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・『500年後の誘惑 クラーナハ展図録』グイド・メスリング 新藤淳 編著
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