大阪中之島にある国立国際美術館には建物がない、
ように見える。
美術館があるべき場所には
金属パイプを好き勝手に曲げて組み合わせた
巨大なオブジェが置かれているだけである、
ように見える。
国立国際美術館は地上には入口しかなくて
本体はすべて地下にある。
なぜそんなことになっているかというと
敷地が狭かったことと
たぶん設計者のシーザー・ペリが
モダン作品を中心に集めた美術館らしく
金属パイプを組み合わせだけに見える超モダンな建物を作って
どや顔をしたかったということなのだろう、
と想像する。
何だかこれ見よがしで、
これだからアメリカの建築家はねぇ~
などと思いながら
地下1階のエントランスに降りると
意外と気持ちのいい空間である。
光がいい。
ガラスの天井から地下に差し込む光が
厳かな感じで落ち着く。
ここから地下2階、3階の展示室へ降りていく。
アートの世界に深く没入していく感じである。
とてもいい。
ちょっとパイプが邪魔で、
日本人の頭にある竹のイメージは
もうちょっと繊細な感じだと思うけれど・・・
この時開催されていたのは
《500年後の誘惑》クラーナハ展だった。
地下の奥深くで開かれるのにぴったりのテーマである。
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