東京オリンピック・パラリンピックの開催に伴い、
2019年4月から2020年の11月までの1年8ヶ月もの間、
日本最大のコンベンション施設である東京ビッグサイトの利用が
大幅に制限される。
ビッグサイトはモーターショーからコミケまで
年間を通じてありとあらゆる展示会が開かれ、
来場者が年間1600万人にも達する巨大施設である。
日本には大型の展示会場が圧倒的に不足していると言われる中で、
その最大のものが利用できなくなる影響はかなり大きい。
特に50万の人でごった返すコミケの参加者たちは、
大切な「聖地」をオリンピックに奪われたように感じるかもしれない。
それがもし<草の根の表現活動に対するお上による弾圧>のような構図で
曲解されるようになっていくと、
「聖地」をめぐる紛争になってしまうかもしれない。
紛争は起きなくても
ビッグサイトを追放された
1600万の人たちは新天地を求めて流浪せざるをえないし、
年々増加するコンサートの会場からも人が溢れ出している。
2000万を超えるインバウンドはこれからも加速して、
引退したシルバーの旅行者たちも激増していく。
ビッグサイトを起点とし
2020年に向かって民族の大移動が起き、
それは人と産業の枠組みを大きく変化させるかもしれない。
なんといっても日本は人口減少で人手不足なのである。
ウーバーも民泊も
自動運転もロボットホテルも
ダイバーシティ―も地方分権も
本格的に総動員していかざるをえない。
そんな混乱を乗り越えて
一極集中の弊害の克服や生産性の向上が進めば、
日本は今よりもう少し住みやすい場所になるだろう。
それは一過性のオリンピック景気より
ずっと未来のためになることだ。
そして
起点となるビッグサイトは
社会構造改革はじまりの「聖地」として
100年後に語り継がれるようになる・・・
のかもしれない。