なつかしさの境界線 ~美山かやぶきの里 北村~

miyakobana

 

かやぶきの里29

かやぶきの里30 かやぶきの里21 かやぶきの里26

 

シニアな女性たちに大人気の美山かやぶきの里。

 

ここを訪れる多くの女性たちが

この風景を「なつかしい」と言う。

しかし、観光地巡りをしている今のシニアは、

大半が昭和生まれで、戦後の人たちも多い。

戦後生まれで田舎への疎開経験さえない

今の「おばあちゃん」たちが

江戸時代に建てられた山村の風景をなつかしむのは何故だろう。

 

かやぶきの里6

かやぶきの里16 かやぶきの里13 かやぶきの里19

 

もちろん、高度経済成長が始まる前の

シニアたちがまだ幼かった頃の日本には

このような風景が多く残されていたということもあるだろう。

もしかしたら今のおばあちゃんたちが

子どもの頃に遊びに行った

おばあちゃんたちのおばあちゃんたちの家が

この村の風景そのものだったのかもしれない。

そして今の「おばあちゃん」たちは、

素朴でやさしかった昔々のおばあちゃんたちのことを

この場所の風景とともになつかしく思い出すのだろう。

 

 

かやぶきの里35

 

地味なアースカラーに埋め尽くされた景色の中に

鮮やかに浮かび上がる赤い鼻緒の下駄。

おばあちゃんのあばあちゃんたちにとって、

これは憧れの一品だったことだろう。

 

 

 

かやぶきの里28

 

地味なアースカラーに埋め尽くされた景色の中の

もうひとつの目立つ「赤」がこのポスト。

村の入り口に置かれているものだ。

これも「なつかしい」と言われるが

戦後設置されたものなのでここでは新参者。

 

木と漆の赤と比べると

鉄とペンキの赤は無骨である。

 

本来なら近世の世界に200年後の未来からやってきた

スーパーモダンで異質な存在のはずなのだが

ちゃっかりこの風景に溶け込んでいる。

というか、このポストが村の入り口を守護している

道祖神のようにも見える。

 

このポストは「現在」の世界と「昔々」の世界の境に置かれた

「ちょっと昔」であり、

それは「なつかしい」という単語で

過去と現在の間に一線を引いている。

 

 

 

 

 

園部共同作業所(NPO法人船井ほのぼのかい)さん

プリント

 

京都府南丹市の園部共同作業所さんを訪問させていただきました。

 

園部共同作業所20

園部共同作業所24 園部共同作業所25 園部共同作業所16

 

開所から32年。地道な活動を続けてこられた園部共同作業所さん。

最初は3人、茅葺の民家からのスタートでした。

 

こつこつ下請け作業をこなし、引っ越しと修繕を重ねて

平成2年には助成を受けてオリジナルの

ステンドグラス作りを始められました。

 

園部共同作業所14 園部共同作業所6 園部共同作業所15

 

切って削って引っ付けて、ステンドグラス作りは

高い技術と根気が必要な作業です。

大きなものは完成までに一か月以上かかりますが、

それをやりとげることはメンバーの誇りです。

 

園部共同作業所9

園部共同作業所22 園部共同作業所11 園部共同作業所4

 

これらのステンド製品は比較的高価なものが多いのですが

もう少し手頃なフュージョンといわれる製品もあります。

 

園部共同作業所2

園部共同作業所8 園部共同作業所18 園部共同作業所10

 

ガラスを溶かして作るもので

根付やマグネット、ストラップとして加工されています。

 

 

園部共同作業所7

ガラス製品ではありませんが

海外の方の手軽なお土産としてこの箸置きも人気です。