長浜鉄道スクエアは現存する日本最古の駅舎である
旧長浜駅舎をベースに作られた鉄道記念館。
建てられたのは明治15年である。
派手さはないが小ぢんまりとして居心地のいい場所だ。
止まった時計、開かない窓、灯らないランプ。
切り取られた線路、空っぽの機関車、行先のない改札。
切符は発行されず、信号機が上がることもない。
今や誰の懐かしさより古くなった、明治15年の記憶。
でもここで感じるのは陰鬱さよりも安堵感である。
出発の時間がない駅は、時に急かされることがない。
列車が来ることのない駅では、何を待つこともない。
だから焦らなくていい。
ただ気が向いたときに
自分でゆっくり動き出せばよいのである。
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