『経済の文明史』 カール・ポランニー 著 玉野井芳郎・平野健一郎 編訳/石井溥・木畑洋一・長尾史郎・吉沢英成 訳 2003年刊 ちくま学芸文庫

プリント

 

%e7%b5%8c%e6%b8%88%e3%81%ae%e6%96%87%e6%98%8e%e5%8f%b25

 

『経済の文明史』
カール・ポランニー 著 玉野井芳郎・平野健一郎 編訳/石井溥・木畑洋一・長尾史郎・吉沢英成 訳 2003年刊 ちくま学芸文庫

 

ポランニーの著作集で10編が集められています。
内容は「市場社会とは何か」「現代社会の病理」
「非市場社会をふりかえる」 という三部に分けられています。
この中で特に注目されるものとして
第三部の経済の歴史研究があげられるでしょう。
ハムラビ時代やアリストテレスの時代に「経済」が
どうとらえられていたか。
それが現代とどう違うのか。
それによって現代の特殊性、「人間の経済」の
普遍性が浮かび上がります。
そして
「唯一無二のフレーム・オブ・レファレンスとしての市場は、
市場制度そのものに関してさえ少々時代遅れなっている。
しかし、市場そのものをその一部として理解することができるような、
より広いフレーム・オブ・レファレンスを発展させることに
社会科学が成功しない限り、
一般的なフレーム・オブ・レファレンスとしての市場
を 乗り越えるものは現れないであろう。」
と述べています。
しかし、数字を突き詰めることで語られる<市場経済>とは、
社会の科学そのものであるようにも思えます。
であれば、社会科学が市場を乗り越えるには
社会科学が科学ではなくなるような地点から
語り始められなければならないのかもしれません。

 

続きを読む “『経済の文明史』 カール・ポランニー 著 玉野井芳郎・平野健一郎 編訳/石井溥・木畑洋一・長尾史郎・吉沢英成 訳 2003年刊 ちくま学芸文庫”

『お金の流れでわかる世界の歴史』 大村大次郎 著  2015年刊 KADOKAWA

プリント

 

%e3%81%8a%e9%87%91%e3%81%ae%e6%b5%81%e3%82%8c%e3%81%a7%e3%82%8f%e3%81%8b%e3%82%8b%e4%b8%96%e7%95%8c%e3%81%ae%e6%ad%b4%e5%8f%b2

 

 

『お金の流れでわかる世界の歴史』
大村大次郎 著
2015年刊 KADOKAWA

 
「お金/資本」の流れを中心に据えて
世界史の重要な局面を読んでいくので
一貫性があってわかりやすく、読み物として楽しい。
ここには歴史を学ぶことの面白さがあり
高校の世界史の副読本などとして是非おすすめしたい本である。

 

続きを読む “『お金の流れでわかる世界の歴史』 大村大次郎 著  2015年刊 KADOKAWA”

『お金の流れで読む日本の歴史』 大村大次郎 著  2016年刊 KADOKAWA

プリント

 

お金の流れで読む日本の歴史2

 

『お金の流れでわかる世界の歴史』
大村大次郎 著
2015年刊 KADOKAWA

 

古代から現代に至る社会状況のトピックと
「お金・資本」との関係が書かれた本。
歴史を一つのテーマで切り取っていくのは興味深いものであるが、
一面的になり過ぎてしまうという弱点と裏腹でもある。
また、どんなに面白い史実であっても、
それが歴史の流れとどうかかわるのかという点を外すと
豆知識以上の価値をもてない。

 

続きを読む “『お金の流れで読む日本の歴史』 大村大次郎 著  2016年刊 KADOKAWA”

『経済を読み解くための宗教史』 宇山卓栄 著  2015年刊 KADOKAWA

プリント

 

経済を読み解くための宗教史

 

宗教史にも当然、その時代時代の経済的背景がある。
しかし経済だけですべてが決まるなら
宗教そのものが不要になるので
宗教と経済はいつも歴史の道連れであった、
というくらいに解釈しておくのがいいだろう。
それならウェーバーの顔もマルクスの顔も立つ。

 

続きを読む “『経済を読み解くための宗教史』 宇山卓栄 著  2015年刊 KADOKAWA”

『「悲しき熱帯」の記憶』 川田順造 著 2010年刊 中公文庫

プリント

 

悲しき熱帯の記憶

 

『「悲しき熱帯」の記憶』
川田順造 著
2010年刊 中公文庫

 

レヴィ=ストロースが訪れてから50年後の『悲しき熱帯』を、
その訳者である川田順造が訪れた紀行文。

雑誌「ブルータス」に連載されていたということなので、
1980年代にはレヴィ=ストロースという名前が
男性ファッションの一部としても
とらえられていたということなのでしょうね。

 

 

%e6%82%b2%e3%81%97%e3%81%8d%e7%86%b1%e5%b8%af4

レヴィ=ストロース『悲しき熱帯』についてはこちら

 

 

パンセバナー7

 

パンセバナー6

 

 

『今日のトーテミスム』 C.レヴィ=ストロース 著 仲澤紀雄 訳 2000年 刊 みすず書房

プリント

 

%e4%bb%8a%e6%97%a5%e3%81%ae%e3%83%88%e3%83%bc%e3%83%86%e3%83%9f%e3%82%b9%e3%83%a0

 

『今日のトーテミスム』
C.レヴィ=ストロース 著 仲澤紀雄 訳
2000年 刊 みすず書房

 

『野生の思考』の序説といわれるこの本の内容は<結局、トーテミスムで『未開』を語るなんて、 今時まったくナンセンスなんだよね~>である。

そして問題は
トーテミスムという概念で無理矢理縛って 調べれば調べるほど意味不明になっていく おかしな野蛮人像を作り上げた 人々、学問、社会の偏見にあるということである。

それなら、ナンセンスじゃないものは何かというと それが「構造」で
この本は、親族関係から神話にひろがる「構造」を 順番にたどって行くその過程にある1冊である。

だからこの本は『野生の思考』の序説でもあり 『親族の基本構造』の補説でもあり 『神話論理』の前の前書きでもある。

まあ、「トーテミスム批判」そのものはわかるとしても
そこからあらゆるものを「構造」として考えることが
適切かどうかは別の話で さらに、「構造」だから、それでどうした?
というのも、また別の話である。

続きを読む “『今日のトーテミスム』 C.レヴィ=ストロース 著 仲澤紀雄 訳 2000年 刊 みすず書房”

『悲しき熱帯』 C.レヴィ=ストロース 著 川田順造 訳

プリント

 

%e6%82%b2%e3%81%97%e3%81%8d%e7%86%b1%e5%b8%af4

 

『悲しき熱帯』
C.レヴィ=ストロース 著 川田順造 訳
2001年刊 中公クラシックス

 

人類学関連の多くの有名な著作の中でもこれは屈指の名著であり、その名訳である。
おそらくここに記された若きレヴィ=ストロースの経験は
訳者・川田順造も同じように経験していて、骨身に沁みていたことなのだろう。
レヴィ=ストロースの経験が川田に憑依し、
訳を刻む川田のペン先でレヴィ=ストロースが語っているようだ。

ここにはレヴィ=ストロースと川田という二つの精神が二重写しになっている。
そうなるともはや、著者と訳者の区別は判然としなくなって、
川田でもレヴィ=ストロースでも、どちらでもよくなって、
誰でもよくなったところに、
無名で無数の経験の成れの果てとしての人類学が現れてくる。
その存在感がこの『悲しき熱帯』なのである。 続きを読む “『悲しき熱帯』 C.レヴィ=ストロース 著 川田順造 訳”

『供犠』M・モース/H・ユベール 著 小関藤一郎 訳

プリント

 

%e4%be%9b%e5%84%804

 

『供犠』M・モース/H・ユベール 著 小関藤一郎 訳
1993年刊 法政大学出版局
原題は Essai sur la nature et la function du sacrifice
1889年刊行

 

「宗教的観念は、信じられているが故に存在する。 しかも、
それは社会的事実のように、客観的に存在するのである」 モースはそう考える。

モノの積み上げではなく、観念の体系こそが
われわれにとって世界そのものなのだ、ということだろうか。
<贈与>という行為の体系が「全体的社会的事象」であるように。

 

「供犠とは、犠牲の聖化により、これを行う道徳的人格、または、
この人格が関心をもつある種の対象の状態を変化せしめる宗教的行為である」
では、なぜ犠牲が必要なのか?
それは 「人間と神は媒介なしに接触することはない」からであり
犠牲の媒介によって 「人間と神の血の交換による生命の融合」するからである
では、なぜ媒介が必要なのか?
それは、聖なるものと俗なるものとその媒介が 同時に一挙に観念されたから…
そしてその瞬間から、それらは客観的事実として存在するのである。
続きを読む “『供犠』M・モース/H・ユベール 著 小関藤一郎 訳”

『通過儀礼』 A.V.ジェネップ 著 秋山さと子・彌永信美 訳

プリント

 

%e9%80%9a%e9%81%8e%e5%84%80%e7%a4%bc

 

『通過儀礼』
A.V.ジェネップ 著 秋山さと子・彌永信美 訳
1977年刊 新思想社

 

儀礼研究の父―ジェネップによる儀礼分析の出発点
様々な儀礼の原理(分離・移行・合体)に迫る古典的名著である

 

 

以下、本文より

続きを読む “『通過儀礼』 A.V.ジェネップ 著 秋山さと子・彌永信美 訳”

『カール・ポランニーの経済学入門』 若菜みどり 著

プリント

 

%e3%82%ab%e3%83%bc%e3%83%ab%e3%83%9d%e3%83%a9%e3%83%b3%e3%83%8b%e3%83%bc%e3%81%ae%e7%b5%8c%e6%b8%88%e5%ad%a6%e5%85%a5%e9%96%80

 

『カール・ポランニーの経済学入門』
若菜みどり 著
2015年刊 平凡社新書

 

ポランニーの思想について、詳しくわかりやすくまとめられた解説書
自由経済の発生とその暴走の確認から、
貨幣によって見えなくなる社会的責任の重要性に至る充実した議論。

 

 

続きを読む “『カール・ポランニーの経済学入門』 若菜みどり 著”