法隆寺のものをはじめとして日本には数多くの有名な五重塔がある。
そのなかでチャンピオンを選ぶとしたら、やはりこの東寺の五重塔
ではないだろうか。
それはこの塔が古いからでも高いからでも美しいからでもなく、世界の観光地古都京都のシンボル、ランドマークだからである。
新幹線に乗ってこの塔が見えたら、ああ京都だ、と誰もが思う。
舞妓さんと五重塔を並べて描けば、
それは世界に通じる典型的な<KYOTO>のイメージになる。
女性・ファッションというソフト文化と
僧侶・建築のというハード文化の組合せ。
それは明と暗であり、凹と凸である。
対照的なものを並べて全体を暗示するものだ。
とても陳腐でありながら世界中でコピーされ続ける
強力なイメージである。
この京都中央郵便局のスタンプのように。。。
そこに描かれているのがほんとは八坂の塔と、
単なる日本髪の女性であっても、
それは東寺&舞妓と認識されるだろう。
もちろん金閣寺や清水寺のイメージも強力ではあるが
五重塔にはシルエットにしても一目でそれとわかる強さがある。
密教が得意とするシンボルの力だろうか。
そして舞妓さんの代わりに鹿を描けば
そこはたちまち<NARA>になる。
もちろん五重塔は法隆寺のものだと
勘違いされるに違いない。
日本で一番高い山は誰でも答えられるが、
二番目は難しい。
五重塔も二番目に高い興福寺のものは、
意外と忘れられる。