明治37年(1904)竣工の京都府庁旧本館。
国の重要文化財でもあるとても立派な建物です。
二階の真ん中にバルコニーがあって、
庁舎というより権力者お屋敷という感じです。
西洋らしさとセレモニー性のド派手な演出。
それを当時の手持ちの技術と材料でどう組み上げるか。
日本の近代建築家と大工さんたちの格闘の成果です。
このノスタルジックでセレモニーな雰囲気、
そして丁寧な復元と意外なほどの採光の良さは、
コスプレイヤーたちの大きな支持を得ていたようですが、
今はコスプレイベントは受け付けていないようです。
考えてみると、
物語の登場人物になりきるための
涙ぐましい努力という意味では、
この建物やその主たち、あるいは時代そのものも、
一種のコスプレーヤーだったのかもしれません。
世界地図という舞台の上で、「西洋」というコスチュームを着こなし、それになりきろうとした時代。
役柄はその後アジアの豪傑から天下の大悪人へと変わっていきますが、この場所はひとつの時代の痕跡として残り続けています。
京都は街が博物館です。
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