比叡山延暦寺との仁義なき戦いを越えて生き延びてきた不死身の寺、天台寺門宗総本山園城寺(三井寺)
宗派間抗争がいったん始まると、双方が引くに引けない殲滅戦になってしまうのは、今も昔も同じであるが、第三者的にはどうしてそこまでの状態になるのかいまいちわからないところがある。
そういう抗争の発端はたいてい跡目争いで、それは同時に誰が莫大な利権を引き継ぐかという相続争いでもある。
身内が相続争いから生涯縁遠くなってしまうのも、昔も今も同じで、それは寺院でも貴族でも庶民でも変わらない。
庶民なら絶縁状態くらいで済むが、面子のレベルが桁違いに高い人たちの場合は、それが配下らによる破壊と殺戮に至ることになる。
そしてすぐに最初の原因が何であったかはどうでもよくなって、それぞれの構成員がそれぞれのグループに対する忠誠心を示すためだけの純粋な抗争のための抗争になってしまうのである。
そんな極道な過去のある三井寺であるが、何百年かはそれなりに平穏に年を重ね、見晴らしのいいこの場所でたくさんの国宝や重要文化財としてゆったり暮らしている。
“長い長い抗争の果てに ~三井寺(園城寺) 新緑~” への1件のフィードバック