『大転換』(新訳)
カール・ポラニー 著 野口建彦・栖原学 訳
2009年刊 東洋経済新報社
市場経済というものの発生から現在までをとらえ直し
人間性を根こそぎにしてしまうようなその破滅的な性質について述べた大著。
経済や政治の行き詰まりからファシズムの台頭、そして破滅へ至る社会の姿は
執筆中のまさに目の前で起きている現実であった。
だからこの本は冷静な経済史の分析であるとともに
熱気を帯びたルポルタージュでもある。
市場経済が失敗するように民主主義もまた失敗する。
経済と政治がともに失敗すると
絶望が蔓延しポピュリズムが力を持つようになる。
闇と絶望に支配され、考える力を失った人々は
そこに灯った微かな光に殺到する。
破滅の淵でパニックにも似た饗宴が繰り広げられる。
現在の世界的なポピュリズムの時代に
この本の内容は実践的に再検討される価値があるだろう。
ポラニーが新たな希望のために記した言葉は「忍従」であった。











