「みやこ」から京都縦貫道をずーぅぅっと北上して
日本海につき当たるちょっと手前にある福知山の観音寺さん。
「観音寺」という名前は日本中にたくさんあって目立たないので、
50年くらい前に自らの存在をアピールする企画をされました。
それが今このお寺を有名にしている1万本のあじさいです。
そういう企画を仏教らしい文脈で表現すると「発願」となるようです。
歩くのに邪魔になるくらい未整理のあじさいや
突然現れるニワトリ、
ただ上って下りてくるだけの階段など
それほど広くはない境内はややこしいことになっています。
真言宗のお寺なのに開祖の空海が生まれる50年も前に開山されたという、
そもそもの成り立ちが既に迷宮入りしているくらいの古いお寺で、
<真言+神仏習合=現世利益>を基盤に、絵馬とダルマが並べられ、
生まれる前の水子の供養から生き物ではない人形の供養まで
一切衆生もそれ以外も含めて
六道の枠を越えた幅広い活動を展開されています。
今の一押しはあじさいに囲まれた立地が売りの永代供養墓で、
少子化時代の衆生の救済に尽力されています。
と、迷宮的な現代の世相を反映した観音寺の「発願」は
休むことなく繰り広げられていきます。
よく見ると、このあじさいは
豪華なご葬儀で時々見られる「花祭壇」に似ています。
このお寺の次の発願は
季節限定・紫陽花告別式(無宗派式)&花の散骨
になるかもしれません。
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