旧中山道沿い草津にある伊砂々神社の初詣。
本殿は室町時代に建てられたもので
間口1尺の小ぢんまりしたものですが
国の重要文化財に指定されています。
小さな集落の小さな聖域として永く祀られ
浄められてきた場所という感じです。
人が集まってずっと暮らすところには、
こういう浄めの隙間が必要なのかもしれません。
日常生活で巻き起こる人々の間のあれやこれやを
<ノーサイド>にして洗い流す場所。
だから常に清く保たれなければならない場所。
日本中の集落でずっと続けられてきた
数々の神事の深層には人々の対立や争いを
清算する役目もあったのかもしれません。
特に同じ集落の中での
富の偏在や格差に関する対立感情は
嫉妬を生み、すぐに怨念に転じてしまうような
危険なものですから
神聖な「払い」によって
祓ってしまわなければならなかった。
浄めの場所や機会を持たない人々の集団は、
争いの果てに四分五裂して消えてしまい、
浄化の装置を持った人たちだけが残った。
そしてそれが今は「宗教」と呼ばれるもののひとつに
数えられるようになっているのかもしれません。