『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』
米原万理 著
2012年刊 KADOKAWA/角川学芸出版
1960年の在プラハ・ソビエト学校は、
誠実で素直でユーモアと活力と希望に満ちた真っ赤な楽園であった。
しかし少女たちがその楽園から出ていく頃になると、
真っ赤な世界には鋭い亀裂が走り、楽園は萎んでいく。
そして楽園の外で時代と並走する少女たちは、
だれもが予想もしていなかった未来へとたどり着く。
この本にあるほど劇的ではないにしろ、
誰にとっても大人になるとは、そのような変化である。
いつも時代は変わり、いつも人は成熟し、いつも人は老いて死ぬ。
だからこの本は多くの共感を得て、感動的である。
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