どのように高く荒ぶる波であっても
どこまでも穏やかな波であっても
なにもない水面に起きて
なにもない水面に消える。
なにもないのにそれは起きて
なにが起きてもなにもなくなる
そこにはいつも何もないのに
いつでも何かある
かつてあったどんないのちも
これからはじまるどんないのちも
ずっとそこにあったし
ずっとそこにあるままである
神話が語る神話自身の始まりは
はじまりの吐息が起こすさざなみである
無数のいのちの物語を越えて
神話の始まりのはじまりよりも前から
神話の終わりのおわりよりも後まで
いのちをささえるものは
ずっとそこにあり
ずっとそこにあるままである
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