瀬田にある県営のびわこ文化公園。
敷地が43haもある広い公園である。
そこに何があるのかというと、
駐車場・路・広場・路・広場・路・庭・路・
森の中・森の中・森の中・どんぐり・森の中・
広場・路・原っぱである。
公園らしく自然がいっぱいで
秋は紅葉がきれいなところである。
そして美しい紅葉のフィナーレとして、
公園内は見事に落葉で埋め尽くされる。
この落葉こそ自然の循環の素晴らしいところなのだが
あまりに見事で
公園としてはかなり歩きにくい。
秋の実りの豊かさは
落ち葉に足をとられて転んでしまうかもしれないという
危険と背中合わせである。
そんな危険を冒して落ち葉の中を切り開いて進んでいくと、
びわこ文化公園のもうひとつの側面である
「文化」の部分があらわれる。
県立図書館と美術館である。
43haという全体の敷地から見ると小さなものであるが
どちらも質の高い運営が行われている。
・・・図書館は全国有数の蔵書を誇り、利用率は全国トップである。
美術館は来年から長期休館して大幅な改築が行われるが、
新施設の設計は世界的に有名な建築ユニットのSANAAである。・・・
美術館には彫刻の道というのが付属していて
この美術館が得意とする現代彫刻が並べられている。
これは何か?
アートである。
そう書いてある(たぶん)
タイトルは「酸素/滋賀」
これもアートである。
タイトルは「夏至のランドマーク」
他に説明のしようがないから
これもアートである。
タイトルは「置・傾/トライアングル」
きっとこれもアートだ。
でなければ道の真ん中に立っている木なんて
邪魔過ぎる。
タイトルがついていないので
私が名付けよう
「腐葉土/命」
これで立派なアートになった。
・・・でもこれは彫刻じゃないなぁ。
彫刻と自然木の違いは何かというと、
写真で並べて見る限り
直線があるかないかくらいだろう・・・
そして道の終わりに到達するのがこれ
何かの行事に使われることもなく、
ほとんど文化と自然の境界を示すためにのみ
開かれているただの空間。
そんな徹底的な無駄さ加減はアート以外のなにものでもない。
公式のタイトルは「わんぱく原っぱ」
だが
あまりかっこよくないので
私が名付け直そう
タイトル「空の直下/邂逅」
これで現代アートらしくなった。
落葉した樹木の枝は
季節の終わりの曲がり角を指し示しているようだ。
タイトルは「陰の季節/啓示」
紅葉が燃え尽きて
落葉が終われば
もうカサカサと葉のふれあう音も聞かれなくなる。
それが冬の始まりである。
タイトルは「沈黙の始り/終曲」
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