『ブラジルへの郷愁』
C.レヴィ=ストロース 著 川田順造 訳
2010年刊 中央公論社
レヴィ=ストロースが「悲しき熱帯」ブラジルに滞在していた
1930年代に撮影した写真集
地面の上に裸で寝るナンビクワラの人たちの表情はこの上なく魅力的であり、
それは1万年変わらない人間の姿でもある
人類学者レヴィ=ストロースの基点はおそらくここにあるのではないかと思う。
裸以外の持ち物がない頃から、人類の原点には<女性>の交換があった…
その直感と確信、たったそれだけのことを、
自らの持つありったけの知識とレトリックと強引さで
あれだけの研究に仕立ててしまうところが
レヴィ=ストロースの魅力であり
開いた口が塞がらないほどの壮絶さなのである。