『方法序説』 デカルト 著 谷川多佳子 訳 1997年刊 岩波文庫

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方法序説
デカルト 著 谷川多佳子 訳
1997年刊 岩波文庫

 

その時代の社会的権威を全否定して神と直結するのが
「ワレ惟ウ、故ニワレ在リ」という傲慢である。
もし当時の社会に若者たちが強い抑圧を感じていたのなら、
その若者たちはロウソクや雨傘などのシンボルを掲げてデモ行進し、
その社会には「デカルト革命」が起きるだろう。
一部は暴徒化し、「故ニワレ在リ」と叫びながら
教会も宮廷も富裕な商人も焼き討ちし、軍隊が投入される事態になるだろう。
もしかしたら民族浄化まで至るかもしれない。
そして実際にそれが様々な形で進行してきたことの結果として、
現代の我々の社会はある。
徹底した合理的精神は徹底した神秘的精神と紙一重である。

 

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『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』 米原万理 著 2012年刊 KADOKAWA/角川学芸出版

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嘘つきアーニャの真っ赤な真実
米原万理 著
2012年刊 KADOKAWA/角川学芸出版

 

1960年の在プラハ・ソビエト学校は、
誠実で素直でユーモアと活力と希望に満ちた真っ赤な楽園であった。
しかし少女たちがその楽園から出ていく頃になると、
真っ赤な世界には鋭い亀裂が走り、楽園は萎んでいく。
そして楽園の外で時代と並走する少女たちは、
だれもが予想もしていなかった未来へとたどり着く。
この本にあるほど劇的ではないにしろ、
誰にとっても大人になるとは、そのような変化である。
いつも時代は変わり、いつも人は成熟し、いつも人は老いて死ぬ。
だからこの本は多くの共感を得て、感動的である。

 

 

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ナイトミュージアムのすすめ ~滋賀県立近代美術館 彫刻の路 夜~

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瀬田の森夕涼みフェス24

 

「瀬田の森 夕涼みフェス2017」が行われたびわこ文化公園にある県立美術館の「彫刻の路」。

 

夕涼みフェスの帰りに見ると、少々不気味な印象。

というより、最初から不気味なものが夜に際立つという方が正確かもしれません。

 

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「不気味」などというと彫刻家の方や美術館の方に失礼な気もしますが、現実のなだらかで平穏な時空に衝撃を与えるのが現代アートの一側面だとするなら、不気味さこそ重要な価値と言えるかもしれません。

 

瀬田の森夕涼みフェス23

 

こちらはユニークな墓石のようですが、村岡三郎さんの「Oxygen Shiga」(1993)という作品。

刻まれている言葉は「焼かれた声帯、もしくは自分の故郷が違うものに感じられる者のために」・・・やはり夜っぽい。

 

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瀬田の森夕涼みフェス18

 

古代の巨石文明の祭壇のような二つの作品

上が「置・傾/トライアングル」(植松奎二 1987)

下が「夏至の日のランドマーク」(山口牧生 1986)

 

この美術館には、他にもシーガル「コーヒーを注ぐウェイトレス」やアバカノヴィッチ「群衆Ⅳ」などの秘蔵の作品があって、それらも夜間に美術館で特別展示してくれれば見る人の背筋が凍ること間違いなしです。

特にアバカノヴィッチの作品は深夜に一人で20分くらい向き合うことで、真価がわかるというか人生観が変わるというか、そういう作品かもしれません。

シーガルの作品も夜中にひとりでじっと見つめていると、泣きたくなってくるかもしれません。

 

シーガル「コーヒーを注ぐウェイトレス」
http://www.shiga-kinbi.jp/db/?p=8410

 

アバカノヴィッチ「群衆Ⅳ」
http://www.shiga-kinbi.jp/db/?p=10571

 


 

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瀬田の森夕涼みフェス7

 

大津市のびわこ文化公園で行われた「瀬田の森 夕涼みフェス2017」

まだ<浴衣で夕涼み>というには6月3日では早過ぎて、スタートが14:00なので夕方にも早過ぎるのですが、それでも参加者は3400人(主催者発表)と、大津市の瀬田というマイクロローカルな企画としてはかなり盛況だったようです。

 

瀬田の森夕涼みフェス2

 

17:00からは1000個のキャンドルが灯されました。

(原っぱにたくさん置いてあるだけではありますが…)

 

瀬田の森夕涼みフェス11

 

最近は「マルシェ」と呼ばれるようになっているらしいフランクフルトや焼きそばの屋台にも長い行列ができていました。

 

瀬田の森夕涼みフェス5

 

特設ステージ(ただの広場の一画)でも、フラダンスやブラスバンドの演奏などが次々と(もしくはややだらだらと)行われていました。

 

瀬田の森夕涼みフェス10

 

イベント中もっとも元気が良かったのは子どもたちで、光るブレスレットをもらって大はしゃぎ。イベント広場の芝生の上を走り回っていました。

 

瀬田地区は子どもの多い地域で、15歳までの子どもが人口に占める比率は16.6%(全国平均は13%程度)あります。

全体の人口もこの10年間で10%以上増えています。

 

瀬田の森夕涼みフェス14

 

雲行きは少々あやしかったのですが、月明りもキャンドルの灯りも、子供たちの歓声も最後まで消えることなく無事終了。

今時のことで、子どもも多いイベントなので、次回からキャンドルはLEDにして、子ども向けの企画も増やした方がいいかもしれません。

(・・・キャンドルナイトじゃなくなるかもしれないですが・・・)

 

瀬田の森夕涼みフェス16

 

帰りに見た瀬田地域の夜景もキャンドルと同じように輝いていました。

この風景も「タウンキャンドル」などと適当に名付けてイベントに組み込んでもいいのかな…

 


 

 

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落日コレクション 33

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びわ湖周辺の美しい落日の風景

 

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とても風の強い日で、いつもは穏やかな湖畔の落日も少し荒れていました。

空の上、風の世界では雲がどんどん形を変えながら流されていきます。

水の世界の表面が次々と覆されていくように波立ちます。

その間で真っ先に暮れていく大地は、

荒れている空や湖とは対照的に

色を深めながら重みを増していくようでした。

 

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2017年6月2日 大津にて

 

 

壱億円ウェットティッシュ

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一億円ウェット1

 

壱億円をデザインしたウェットティッシュです。

色は地味ですが存在感は十分です。

 

一億円ウェット6

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1億円には夢があります。

10億円にはもっと夢があります。

でも、

100億円もあると違和感が出てきて

1000億円だと気味が悪くなってきて

夢が悪夢に変わりそうです。

 

 

 

2017年 お中元カタログ ~気持ちつながる夏ギフト~

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お中元カタログ201701

2017年 「お中元カタログ」発刊いたしました!

涼しそうな表紙の中身は Delisious Food Collection が満載です。

 

 

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お世話になったあの方へ

夏のごあいさつに 涼しさを添えて

ちょっと贅沢な贈り物をどうぞ・・・