「瀬田の森 夕涼みフェス2017」が行われたびわこ文化公園にある県立美術館の「彫刻の路」。
夕涼みフェスの帰りに見ると、少々不気味な印象。
というより、最初から不気味なものが夜に際立つという方が正確かもしれません。
「不気味」などというと彫刻家の方や美術館の方に失礼な気もしますが、現実のなだらかで平穏な時空に衝撃を与えるのが現代アートの一側面だとするなら、不気味さこそ重要な価値と言えるかもしれません。
こちらはユニークな墓石のようですが、村岡三郎さんの「Oxygen Shiga」(1993)という作品。
刻まれている言葉は「焼かれた声帯、もしくは自分の故郷が違うものに感じられる者のために」・・・やはり夜っぽい。
古代の巨石文明の祭壇のような二つの作品
上が「置・傾/トライアングル」(植松奎二 1987)
下が「夏至の日のランドマーク」(山口牧生 1986)
この美術館には、他にもシーガル「コーヒーを注ぐウェイトレス」やアバカノヴィッチ「群衆Ⅳ」などの秘蔵の作品があって、それらも夜間に美術館で特別展示してくれれば見る人の背筋が凍ること間違いなしです。
特にアバカノヴィッチの作品は深夜に一人で20分くらい向き合うことで、真価がわかるというか人生観が変わるというか、そういう作品かもしれません。
シーガルの作品も夜中にひとりでじっと見つめていると、泣きたくなってくるかもしれません。
シーガル「コーヒーを注ぐウェイトレス」
http://www.shiga-kinbi.jp/db/?p=8410
アバカノヴィッチ「群衆Ⅳ」
http://www.shiga-kinbi.jp/db/?p=10571
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