先日都庁の地下にオープンされたクルミルさんを
訪問させていただいた時に見上げた風景。
高層ビルだらけで息苦しい東京の中でも
都庁のビルはとりわけ威圧感があるような気がする。
鉄とガラスとコンクリートで練り上げられているというより
几帳面に切り出された大きな石の塊が
端正に延々と積み上げられている感じである。
それは巨大で整然とした都市の統治機構の象徴で
その地下の人影は虚ろである。
未来への希望を宣言するモニュメントは
幾重にも閉ざされた広場の真ん中で失速している。
この建物は統治の象徴として
あまりに完成度が高いので
その前では年中様々なシュプレッヒコールがあるようだが
それらの声は鉄壁の庁舎に完璧にこだまして
それを叫んでいる人たち自身を酔わせているだけだろう。
と、都民でもなく都政とも縁のない私にとっては
どうでもいいようなことを考えながらうろうろしていると
日が暮れてきて
新宿の夕焼けも案外きれいだなぁ、とか少し思っていると
つるべ落としに日が暮れて
ホテルの窓に灯るあかりが季節外れの蛍の光・・・あっ
そうだ、もう帰らなきゃ!
新幹線を使うとはいえ、
それでも東京から京都までは
東海道53次の端から端までの遠い道のりです。