贈答文化協会の総会に行ってきました。
場所は東京のKKRホテル。
竹橋駅直結で皇居のすぐ近くです。
ホテルの窓からは皇居の豊かな緑が臨めます。
緑は豊かなのですが、
残念ながら都市と自然の共存という感じにはならなくて、
堀の両側で異質の世界が並立しているという印象です。
さて、総会ですが
贈答文化協会の取り組みに新しいものが加わることになりました。
贈答アドバイザーとラッピング技能士の資格に続く
ギフトPマークの導入です。
これまでの資格は個人の能力に関するものでしたが
ギフトPマークは個人情報保護のための
会社全体の取り組みに関するものです。
議案承認の後、「セブンイレブンの強さについて」の講演があり
最後に文化協会理事と顧問によるパネルディスカッションが行われました。
テーマは「ギフト業界は今後も存続できるか」という厳しいものでした。
こういうテーマが選ばれたのは、
これはギフト需要が人口減少の影響を大きく受けることと
世代交代による慣習の変化が大きく進んでいることに対する
危機感の表れだと思います。
まず人口減少に関してですが
人口の減少がギフト需要に与える影響はこうなります。
100人の人が100人に対して贈り物をすれば
贈り物の個数は10000個になります。
人口が10%減少して90人になった場合、
90人の人が90人に贈るので数量は8100個になります。
人口の10%の減少は20%近いギフト需要の減少という結果になります。
もちろんそこにギフト機会の増減や単価の増減などの
要因も掛け合わせていかなければならないので
これほど単純にはなりませんが
影響が大きいことには変わりありません。
次に慣習の変化。
慣習は地域によるばらつきの大きなものですが
人口移動や情報化により全国的に平準化される傾向が強まっています。
そして地域差は世代交代という地殻変動によって
大きく形を変えるものでもあります。
現在は団塊の世代をはさんだ前後の時代での劇的な変化が注目されます。
団塊の世代をはさんだ前後の世代は、
お堀をはさんだ皇居と丸の内ぐらい違うものです。
こういう大きな変化の時には、
仕事の定義を大胆に見直すことが必要かもしれません。
少なくとも「物品販売」というような単純な枠組みは外すべきでしょう。
例えば、ギフト機会が発生するような儀礼の場そのものを作る
<文化の創造>というような大きな枠組みで
発想を自由に飛躍させる必要があるかもしれません。