豚からはじまる禅問答 ~建仁寺~

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建仁寺4

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建仁寺さんの本坊を入ると、最初に目に入るのが

有名な風神雷神図を陶板にしたものです。

その風神雷神の前には

夏には季節限定で豚の蚊やりが置かれています。

 

この豚の蚊やりですが

目も鼻(口)も胴も

中に入っている線香まで

すべてが丸だけで構成されたミニマムデザインで、

その特徴的な姿は近代産業デザインの

傑作のひとつと言えるものかもしれません。

そしてそのシンプルさは隣の「○△□の庭」の

切り詰めた世界と呼応します。

 

建仁寺27

建仁寺36 建仁寺25 建仁寺26

そのミニマムがずっと枯山水の庭に広がって

ミニマムの立体的表現である茶室に至ります。

 

そして豚のうしろの風神からは、屏風やふすま絵や180畳の天井に至る

豪快で複雑でユーモラスな絵の世界が広がります。

こちらに繰り広げられるのは茶室の静謐とは正反対の

どこまで騒々しい極大の世界です。

 

建仁寺14

建仁寺20

建仁寺32

 

二つの異なった世界観が対立するデザインとなって

数百年の間 延々と対話し続けてきたというのが

建仁寺の禅問答なのかもしれません。

 

門を一歩出ると

そこにはもうひとつの世界対立がありました。

 

建仁寺42 建仁寺44

 

観光の極大化と

それを制しようとするミニマム表現です。

 

建仁寺43

 

 

 

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