斑鳩の地では
広大な敷地が国宝で埋め尽くされるているような
法隆寺の放つ御威光が輝かしすぎて
周辺の関連寺院は逆光で暗くなりがちです。
それでも1300年以上も生き延びているのだから
もうちょっと何とかしようかな
と
周辺のお寺ものんびりがんばっていらっしゃいます。
こちら法起寺の場合、
日本最古の三重塔に
近代の外来植物であるコスモスを合わせるという
世界遺産の一部としてはもしかしたら禁じ手ではないのかと
思わないでもない方法で
自ら輝きを放っておられます。
とてもきれいな風景なのですが
外来種はよく育ちすぎて少々うるさい気もします。
(まあ、仏教も外来の思想ではありますが…)
お友達とのお寺巡りを愛するご婦人方は
お花畑も大好きなので
マーケティング的には
ちょっとうるさいくらいの方が
わかりやすくていいのかもしれません。
ついでに、聖徳太子も愛したかもしれない
という触れ込みの
適当なご当地スウィーツを
ご提供させていただく甘味処も併設されると
さらに皆様にお喜びいただけるかもしれません。
この場所には今のところ
東30m先に自販機があることを示す
古い看板があるだけです。
(この看板の前に自販機が3台くらい置けそうですが…)
秋の斑鳩はとてものどかで
かつて政治の中心があった華々しい場所とは
とても思えないのですが、
それも現代という時代の光が眩し過ぎて
遠くの時代が暗くてよく見えないだけなのでしょう。
夕暮れに遠くから響いてくる鐘の音に耳を澄ましていると
目の前の鉄塔が三重塔にも畑の案山子にも見えてきました。
光がゆるむと時代や風景が少し解けて
ひとつに混じり合っていくような気がします。
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