京都縦貫道の「味夢の里」は
レストランや売店、広場などの設備が充実し、
開放的な山里の風景が楽しめる道の駅である。
その広場の真ん中には
何故か真新しい二宮金次郎の像が立っている。
この像の穏やかな表情は女性的、
というより広く地域社会の人々ために尽くした金次郎が内に持つ
菩薩の精神を表現しているようでもある。
というより、
どうして今時この像がこの場所に?
である。
戦前には国策的な校庭のアイドルとして量産され
近年では歩きスマホを助長すると非難されて
行き場に困ってさまよっていた金次郎さん。
彼が少年時代を過ごし
最後に戻りたかった里山の風景は
確かにこの場所と重なりそうではある。
この像はこの地域出身の篤志家の寄付によるものだということだが、
その方が持つ原風景も金次郎のそれと重なるものなのかもしれない。
まだ物資の少なかった時代に
若く優しく賢明でもあった母の下で
家事を手伝い希望を胸に勉学に励んでいた自らの少年時代。
そして功も名も財も成して篤志家と呼ばれるようになった今、
残り少なくなったかもしれない人生を振り返った時、
その原点に
菩薩であり母であり自らの姿でもある金次郎の姿が結実した、
というようなことである、
のかもしれない。
もしかしたら、作ったけれど時代遅れで行き場のなかった像が
買いたたかれて無理やり連れてこられただけかもしれないが・・・
まあ、そんなことの真偽はどうでもよいのだが
地域特産品でつくるここ丹波の「黒豆づくし」はかなりおすすめ。
おいしくて秋です。