空っぽのオマージュ ~銀閣寺~

miyakobana

 

 

複雑化し過ぎた人間関係と言うか政治状況というかに

すっかり疲れ果てて

もしかしたら半分うつ状態になっていたかもしれない

将軍足利義政は

ネットやゲームにはまって抜け出せなくなったかのように

当時の様々な文化に溺れていきました。

 

 

家族も部下も誰もかもが<オレのことをわかってくれない!>

と彼が悩んでいたかどうかはわかりませんが、

まあ病的ともいえる情熱を注いで

後に銀閣寺と呼ばれるようになる広大な別荘をつくっていきました。

 

 

脆弱な権力財務基盤しかもっていなかったにもかかわらず、

彼は課金を続けてアイテムを買い漁りました。

今の一般人ならカード破産一直線でしょう。

 

 

普通なら周囲から完全に見捨てられる

残念なやつだったかもしれませんが、

そこは8代目将軍という権威はあったのでしょう。

 

 

 

 

ここに集められ整えられた文物様式は

残念どころか「御物」「名物」となり

まとめて東山文化と呼ばれるようになります。

そしておもしろいことに

ここに集められ整理されたものが

次の戦国の世でも超一級の権威として引き継がれていくのです。

武力で土地を奪い合い下剋上をやっていた時代であっても

文化的な権威は有難たがられます。

<成り上がりものは有名ブランドが好き!>

ということでしょうか。

 

そして銀閣寺そのものも

元はその前の時代の

足利義満と夢窓疎石へのオマージュでした。

 

 

そのオマージュは現在、

すっかり狭くなった敷地と

ほとんど空っぽのわずかな建物を残すだけのものですが、

その権威は義政の時代よりもはるかに強力になり

世界遺産になっています。

 

 

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