諭吉の末路 ~日本銀行本店 4~

 

 

現金大好きな日本人の間で

大量に流通している現在の日本の紙幣ですが、
市場にある期間は千円札ならたった1~2年、
1万円札でも3~4年だそうです。
丈夫に作られていても、
それくらいすると折れたり曲がったりして
機械を通らなくなるそうです。

 

 

そして古いお札の大半は、
細断されて焼却処分されてしまいますが、
一部はこのような日銀土産になります。
細かく切り刻まれて軸に詰め込まれた
福沢諭吉や樋口一葉や野口英世の哀れな断片。
残念ながら、あまりいい趣味のボールペンには見えません。。。

 

 

高度な偽造防止技術駆使した世界に冠たる品質の
昨日までは誰からも大事に大事にされて
厳重に金庫に納められたり、
人々の懐を幸せに温めたり、
激しい憎しみ合いの元にもなっていたものが、
使われなくなった途端、何とも惨めで醜く情けない存在になります。

かつての栄光があるからこそ余計に惨めなのです。

 

昨日まで代表取締役会長と呼ばれて
誰も逆らえなかった人が、役職を退いた途端、
うるさいだけのクソじじいに落ちぶれるようなものです。

このボールペン存在は、
もしかしたら貨幣博物館で学ぶべき
最も貴重な人生の教訓なのかもしれません。

 

そして、貨幣が価値を失うという事象は

ハイパーインフレーションの世界を想起させます。

貨幣が信用を失う社会は

人が社会を信用できなくなる地獄です。

だからそんな世界を連想させる切り刻まれた紙幣は、

この上なく惨めで醜く情けなく感じられるのです。

 

 

 

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