風車の運命 ~水生植物公園 みずの森 夏至~

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夏至の頃のみずの森では屋外でも睡蓮や蓮が多く見られるようになります。

 

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種類も多く、個性的な花に見入ってしまいます。

 

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多くの人で賑わう睡蓮三昧郷なのですが、おばあちゃん比率が50%くらいで、実は写真で見るよりかなり騒々しいです。

 

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カエルやメダカやトンボやチョウ。それらの生き物も夏にはたくさん見かけます。

みずの森は、蓮とカエルとおばあちゃんが主役です。

 

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蓮も睡蓮も花の寿命は3日くらいで、それも咲いているのは主に午前中。

はかなさで言えば桜以上かもしれません。

 

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そんな花なので、スタッフの人たちは水中の鉢の入れ替えに常に気を配っておられるそうです。

 

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みずの森の隣に立つ風力発電施設「くさつ夢風車」。

湖岸草津のランドマークで、エコ行政のシンボルですが、現在は発電停止中です。

今後、高額の維持費を払い続けるか、一気に巨額の解体費用を計上するか、それとも赤字を上塗りして別の赤字に作り変えるか、議会で審議されているようです。

 

意味を失っている施設なので、普通に考えれば解体なのですが、現状維持を指向する行政に、議会が方向転換の意志をちゃんと示せるかどうか。。。

 

といった状況なので、次の夏かその次の夏には、この風景は見られなくなっているかもしれません。

 

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鋼の対立 ~靖国神社~

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錆びた鋼の巨大な鳥居の向こうに、さらに巨大な現代の高層ビルを眺める近代日本陸軍の創始者、大村益次郎。

この姿には日本の近現代史が象徴的に示されているように思えます。

 

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西洋の近代国家群に抗うべく中央集権によって鍛え直され、巨大化した鋼の国家。

壊滅的な敗戦によってその鋼は錆びつきましたが、今度はその錆を保護膜とし、産業国家としてさらなる高みに昇った日本。

 

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鋼の鳥居の内側には銅の鳥居があり、さらに内側には木製の門と鳥居があります。

 

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そして拝殿と本殿、さらに合祀された神霊の<名簿>があります。

その数、246万6千余柱。

近代日本もまた、正にヤオヨロズの神の国です。

 

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英霊の魂が神となり、巨大な近代国家を作り上げていくという一途なストーリー。

靖国の参道のど真ん中を貫ているのは純粋なナショナリズムそのものであり、それは日本という近代国家の中心にある原理です。

 

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だからこそそこは理屈抜きの愛着と、それに対する反発が起きるのでしょう。

 

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そして近代的なナショナリズムのナイーヴな魂が、近代兵器という殻に不可避的に覆われるという事実は、靖国に起きる問題をさらに難しくします。

 

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大村益次郎が錆びついた鋼の鳥居の、さらに向こうを見ているように、靖国に関して起こる対立が乗り越えられ、さらなる高みへと解消されることを願いたいです。

 

 

正しいBBQ ~湖岸緑地 南三ツ谷公園~

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南三ツ谷公園1

 

彦根市新海の南三ツ谷公園。

遠く対岸になだらかな山並みを眺めることのできるこの公園は、湖岸でバーベキューができる場所として人気が高く、休日にはたくさんのグループで賑わいます。

 

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しかしゴミの問題などもあり、BBQのマナーが心配されています。

 

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そのうち「共有地の悲劇」が起きないとも限りません。

 

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そうなったら「びわ湖のBBQ全面禁止。環境保全のために県が条例。今後は認可制に」というようニュースが流れることになりますが、実は資本主義の世界ではそれが一番正しいのかもしれません。

 

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もし認可制になって、認可団体がBBQ場を管理するようになったら、そこには新たな雇用やサービスが生まれることになります。

BBQセットの貸し出しや、冷蔵設備を完備した食材販売も行われるでしょうし、宣伝も活発になり、びわ湖のBBQは規制以前より広まることも考えられます。

 

興味深い社会実験になるかもしれません。

 

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時のないベンチ ~南郷水産センター~

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「さかなと遊べるパラダイス」南郷水産センター。

こいつらはいったい何年生きてるんだ?と思える池の主のような巨大な鯉がうじゃうじゃいます。

それを見ているとちょっと不気味なので写真に撮る気はしませんが、少し離れた場所には高級そうに見えなくもない錦鯉もいます。

 

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この施設ができたのは1966年。

それから50年間、おそらく本格的な改修が行われることもなく、鯉だけが成長する昭和遺産の雰囲気を漂わせながら現在に至っています。

 

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寄せ集めのベンチ以外に施設らしい施設もありませんが、長年その雰囲気に慣れ親しんできた人たちには、この雰囲気こそが大切な魅力なのかもしれません。

 

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その寄せ集めのベンチに座って青空を見ていると、時間が止まってしまったかのような感覚になります。

時代を超えたのんびりさ加減です。。。

 

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雨降りの祠 ~水のめぐみ館 アクア琵琶・ウォーターステーション琵琶~

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瀬田川洗堰に隣接する「アクア琵琶」と「ウォーターステーション琵琶」。

アクアは瀬田川の治水などについて体験的に学べる施設で、ウォーターステーションは地域交流施設です。

 

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アクアの目玉はこの「雨たいけん室」。

1時間5mm程度の普通の雨からその120倍の超ド級豪雨までを体験できます。

(丸い虹ゲット(^^♪)

・・・といいてもただのスプリンクラーですが・・・

 

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そんな子供だましでも(子どもがよろこぶのはとてもいいことです)、時を重ねて苔むしてくれば、やがて神の宿る<雨降りの祠>として住民の信仰を集めるようになるかもしれません。

 

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他には、まあこんなものです。

記念写真も撮れるし、ゲームもあるし、治水の歴史も学べるし・・・

・・・でも子供だましにもう一工夫ほしいところ・・・

 

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運営は国土交通省琵琶湖河川事務所です。

 

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もっと民間の活力を取り入れて、国交省管理のプライドも捨てて、もっとおもしろくてお金のかからない子どもだましに徹していただけると、もっともっと税金の有効利用になるかもしれません。

 

 

 

 

鳩たちのカフェ ~瀬田川洗堰~

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びわ湖・瀬田川流域治水の要である瀬田川洗堰。

最初の堰が作られたのが明治38年。下流の宇治川・淀川の治水も含めた壮大な事業でした。

上流と下流とさらに下流までの利害が対立する治水工事を、それだけ大きな視野で進めることは、明治近代の中央集権体制が整わない限り考えられなかったことでしょう。

 

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現在の瀬田川洗堰は2代目で、昭和36年に作られたものです。

50年以上前のものなので昭和レトロで、一見優雅な雰囲気もありますが、近くでよく見ると、ここが水との戦いの前線設備であることがわかります。

 

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上流に向かって警戒を怠らない戦艦のようでもあります。

 

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引退した先代の洗堰は、明治の土木遺産として、両岸に少しずつ残されています。

 

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そして普段は鳩の休憩場所として、たまに人間用のカフェとして使われているようです。

 

 

 

 

 

護猿のワンポイント ~西教寺~

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延暦寺や園城寺と比べ、比叡山にある天台宗系の総本山としては、少し地味な存在である西教寺。

ここは戒律と念仏の道場なので、派手さなど求めません(のかもしれません)。

 

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逆にその静かな雰囲気が密かな人気とも言われているとかいないとか…

 

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この総門の先が紅葉で赤く染まる姿は、西教寺が最も派手になるところですが、比叡山周辺には紅葉の名所が多いので、ここは比較的穴場と言われています。

 

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建物はは落ち着いた歴史を感じる佇まいですが、ややインパクトには欠ける気もします。

戒律と念仏の道場なので、派手さなど不要なのです(だと思います)。

 

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その中で特徴的なのがこの宗祖真盛上人の御廟。

江戸の天保13年(1843)に建てられた和唐折衷様式です。

もちろん派手さはありません。あるのは静かな苔と猿ばかりです。

 

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比叡山のお寺らしくびわ湖はきれいに見えます。

 

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湖面を渡る颯爽としたヨットは、ここではちょっと派手過ぎます。

 

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お寺のあちこちにで見かけるお猿さんの像は、かつて上人の身代わりなったという護猿(ゴザル)です。

これくらいの派手過ぎないワンポイントが西教寺には似合います。

 

 

リリーの未来 ~長寿生の郷 野の花観音径 夏~

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長寿生の郷にある「野の花観音径」には800種の山野草が植えられています。

今の季節(6月)のメインはササユリです。

 

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ササユリは日本固有のユリで学名はLilium japonicum。

すらりとした姿がたいへん美しく、古くから歌に詠まれ、食用にも薬用にもされ、日本人にとって身近な存在であったようですが、最近は自生地が減り栽培も難しいということから希少な存在となっているということです。

 

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ここでは今のところ旺盛な緑の中でしっかりと咲いていますが、そのうち花の中の朱鷺のような存在になってしまうかもしれません。

日本列島に住む人々にとって、大切な花は桜だけではありません。

 

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他にもヤマアジサイやノアザミ、キョウガノコ、ホタルブクロなど、散策しながら季節の花を楽しめます。

 

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もちろん昆虫も野鳥もたくさんいます。

鹿は追い払います。

 

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でもヤギはいます。