滋賀県大津市にある日吉大社。
同じ大津市の西部にある近江神宮が、昭和に建てられた近代国家プロジェクトの神社であるのと対照的に、こちらは古事記にもその名前が登場する古代神話的神社です。
この神社に祀られている主要な神様の一柱は、大津宮遷都の際に勧請されたものなので、天智天皇を祀る近江神宮とは2000年の彼方の親族のようでもあります。
日吉大社の「日吉」は、もとは<ひえ(日枝)>と読まれていて、それがまさに<ひえの山>=「比叡山」山岳信仰のルーツです。
比叡山を背景にし、その守護神であり、全国の山王信仰の総本社でもあるこの神社の境内は、強力なパワースポットです。
ご利益があるかどうかは別にして、すぐそこに神様がいるのを肌で感じます。
そしてその神様の使いが、日吉大社のシンボルであるこのお猿さんです。
神様がいると思っていたけれど、実は山のお猿さんがこちらを覗いていただけかもしれません。
まあ、お猿様でも神様でもいいのです。
古代の神話の世界に向かって開かれ、豊かな山の自然に向かって開かれているこの場所が、現世と常世を結んでいることは確かな気がします。
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