法善寺の聖域を出ると、そこは阿鼻叫喚の怒涛の俗世である。
夜の道頓堀にはとにかく人がいる。うじゃうじゃいる。
闇の向こうから光を求めて続々と湧いてくる。。。
タコがいてカニがいて、やっぱりズドンと当たる奴がいる。
巨大海洋生物たちが人間を襲うB級ホラー映画のようだ。
餃子もいる。
巨大餃子が群れをなして人間を襲うC級ホラー映画のようだ。
そしてどこまでも人がいる。人が渦巻いて逆流し、雑踏する。
主人公がチンピラに後ろから刺される
ヤクザ映画のラストシーンはきっとこんな場所で起きる。
橋の上にも
水の上まで人で溢れている。
この俗世は人間の迷路である。
自主制作のバイオレンス映画が
「地獄とは他人の事だ」
という哲学者の引用から始まるのも
きっとこんな場所だ。
その先は再び地続きの聖域である
出世地蔵尊に通じているのだが、
このようなモーレツな俗世では、
人は人に飲み込まれながら
タコやカニやグリコを食べ続け
だれもが道の途中でくいだおれてしまうのである。
おお、怖~い!
お陀仏、南無阿弥陀仏
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