安土町の山の上にある観音正寺。
聖徳太子が呪われた人魚のために建てたという伝承があるほど古いお寺ですが、1993年に本堂もご本尊も呪われた人魚も火災で燃えてしまいました。
現在は23トンの白檀から彫った千手観音をご本尊とする
最新式のお寺になっています。
本堂の横には蓮の池と巨大な石の壁が作られています。
ここで使われている石は、この山腹にあったものを積み直したものですが、おそらくかつて石垣に使われていたものでしょう。
このあたりは戦国時代には国内屈指の山城であった壮大な観音寺城があった場所です。
山の南側が広く造成されたその姿は、立てこもって戦をするための城というより、見晴らしの良い丘の上に豪邸が並ぶ超高級住宅地といった印象だったかもしれません。
現代風に言えば<観音寺城ヒルズ>といったところでしょうか。
当時の支配者層は現代のスーパーゼネコンのような土木建築力を誇っていたということでしょう。
しかしその大勢力は織田信長の登場で、あっという間に瓦解してしまいました。栄光のヒルズ族は大きな時代の変化についていけなかったのでしょう。
駐車場から続く参道は500mほどの山道で、
行き着くのが少々たいへんですが、
道沿いに十数メートルごとに立て札があって
行く人を励ましてくれます。
観音様のお導きという感じです。
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