大津市の南郷にある
厄払いのお寺として有名な立木観音。
ここは800段の長い長い石段でも有名である。
たぶん石段の方が厄払いより有名だろう。
厄払いは厄年の人にしか関係がないけれど
800段は誰にとってもインパクトのある、
そしてかなりしんどい石段だからである。
一口に800段と言っても、ビルの階段で50階以上。
それが急な石段なのだから昇るのはかなりたいへん。
行けども行けども石段石段で、段々石が憎くなってくる。
頼りはこの手すりだけで、
これを仏のお導きだと信じてしがみついて石段を昇る。
そしてようやく昇りきったところにある休憩所がこの「御茶所」。
ここに座ってお茶をいただけるのはとても有難い。
仏のご慈悲という感じである。
仏のご慈悲をしみじみ感じて
一息ついたら厄払いグッズでお祓いをしていただく。
そして、もちろん降りるのも階段。。。。
やっぱり長い長い階段であることには変わりないのだが、
昇るのと比べたらはるかに楽である。
昇るより降りる方が楽なのは当たり前なのだが、
ここでは昇るのがあまりに大変なので、
降りるときには相対的にとても身軽に感じる。
まるで昇るときには全身にまとわりついていた
重苦しく息苦しいものが
降りるときには
石段に対する憎しみといっしょに
きれいさっぱりと払われたようである。
それが長い長い石段のご利益で
そのご利益は厄年でなくても誰でも感じることができる。